関心領域
西日本産業
こんにちは。
資産管理部の田中です。
先日「関心領域」という映画を観てきました。
大まかなストーリーはある家族の、自宅での平和な日常生活を2時間描かれるだけの作品です。
これだけの前情報のみで観るとどういうお話かわからないところばかりなのですが、実はこの家族の父親が有名なアウシュビッツ収容所の所長で、この自宅の塀をはさんだ真隣が収容所という事実を知ってみると、途端に下手なホラー映画よりも恐ろしいお話に変化します。
これについては、登場人物たちのセリフでなんとなくわかってくるものの、映画の中では一切説明がありません。
しかしこれがわかってると、実はこの映画の中で家の中でのやり取りや、庭でのガーデンパーティーの様子などを描いている後ろで、延々小さい悲鳴や銃声、塀の向こう側の建物から煙が立ち上る風景が描かれている事に気づきます。
また、父親が自宅に同僚(ナチスの党員)を呼んで仕事の話をする描写もあるのですが、まるで普通のビジネス話をするようにユダヤ人の扱いを相談していくことには戦慄を覚えます。
しかし、観ている人にも気づく音なのに、映画に出てくる人々は全く聞こえていないかのように楽しげに団らんをしていることに、ロシア・ウクライナ戦争やイスラエルのガザ地区のニュースをニュースで見ている今の自分たちに問いかけられている気がして、観終わった頃には2時間の映画が、3時間にも4時間にも感じられる疲労感を味わいました。
この前のアカデミー賞でも外国語映画賞など受賞したように、今観るべき映画だと思いました。
明日は田村さんです。