納車する!?される!?
西日本産業
業務管理本部の大石です。
私は乗り物が好きで、自動車やバイクのYouTube動画を良く観ています。
そこで以前から気になっているのが「〇〇を納車しました!」という言い回し。
かなりのYouTuberがこういう言い方をしており、私は違和感を覚えずにいられません。
「納車」を「納品」に置き換えてみるとわかるはずなのですが、車やバイクを「引き渡す」のはディーラーであって、購入者は「引き渡される」つまり「納車される」側なので、本来の言葉の意味としては正反対となります。
これは憶測でしかないのですが、最初に影響力があるYouTuberが誤って使い、それを他の人が真似しだして広まったのではないかと考えられます。
こういうことを指摘すると、決まって「言葉は生き物なのだから意味が変わることは仕方ない」「通じればいいんだから細かい事は気にするな」などと言われますし、挙句の果てに「老害」扱いされることも…
確かに、言葉の意味が時代によって変遷することは認めます。「全くそのとおりだ」という強調の意味で使われる「全く」という言葉は、元々は「全く〇〇ない」という、打ち消しや否定の意味で使われるものでした。
それから「煮詰まる」という言葉。「会議が煮詰まってきた」と言えば、良い意見やアイデアがなかなか出てこず、会議が進展しないという意味で使いますが、もともと「煮詰まる」とは意見やアイデアが出尽くして結論を出す段階になった、という意味です。おそらくは「煮詰まる」と「行き詰まる」が混同されてしまった結果だと思われます。ただし、最近の辞書では「煮詰まる」の説明で「行き詰まる」も記載されているようです。
他にも時代とともに反対の意味で使われるようになった言葉は、枚挙に暇がありません。
ちなみに、文化庁が令和3年度に実施した「国語に関する世論調査」によると、言葉やその使い方について社会全般で課題があると回答した人の割合は8割を超えているようです。
その中でも、「流行語や言葉の使い方の移り変わりが早過ぎる」と答えた人は全体の45%を超えています。
ただし、その割合は若い世代だと低く、年令が上がるにつれ高くなっています。
つまり、若い世代ほど変化を柔軟に受け入れ、年令が高いとその変化についていけないのでしょう。
頭が固くならないよう、かつ正しく言葉を使うようにしなければ、と思った次第です。
明日は資産管理部の柿川さんです。
※画像は適当に作ったYouTubeサムネイルです