優しい愛をお伝えします その②
2023/12/09
その①からの続き
さあ、気合を入れていきましょう。現地調査です。
土地の中央に走る長い筆は、高圧電線を敷設した際に上空の地役権を設定するために分筆したものと確認しました。これは測量されているハズです。境界標も、ありました。
次は東側と南側にある細いいくつかの筆、道路か水路に関係するだろうなとの予想どおり、南側の公道に添って私設の側溝と東側に私道とその私設水路、全てに境界標あり。
半円形の謎の筆は、近所の方に聞き取りして、払い下げられた農業用貯水池の一部と確認。ここにも、字図の通りに境界標があります。
もしかしなくても、この土地、全部の筆に境界標が揃ってる?
登記簿や字図等と照らし合わせて、確認すればするほど、全てが一致。とても綺麗に整備された土地なのです。これは凄い。
土地を眺めていると、同じ形の境界標が多いことに気づきました。損耗具合も同じように見えます。これは同じ時期に測量し、境界を確定していったということです。
お母様のお話では「昔は農地だった」くらいしかわからなかったので、測量図などの残された資料を確認すると、多くの筆が10数年前の同時期に作成されており、依頼人は亡くなったお父様になっています。加えて、近隣の方々のお話では、皆様が亡くなったお父様と境界確認したと言われます。
おそらく、ガンを告知されたお父様が、不明な点がたくさんある不動産を確認し、整備されたのでしょう。闘病しながらの作業は大変なことも多かったのではないでしょうか。
家族を思う一心で整備されたものと思われますが、ご家族は誰もこのことをご存じないのでしょうか。
その③に続きます。