農地を誰でも買えるって?

2023/06/24
農地を誰でも買えるって?

「農地を相続してしまいました」

後に続くのは「手放したいんです」…不動産相続あるあるです。

相続では農業に従事していない人でも、相続権があれば「農地」を受け継ぐことになります。

後ろ向きな表現になるのは、農地を相続した方のほとんどが困っていらっしゃるからです。

市街化区域内の農地は、宅地などへの転用が可能なのですが、市街化調整区域内の農地は、基本的に農地から他の用途へ転用できないうえ、農地を購入・譲り受けることができるのは50アール(一部地域は40アール)以上の農地を所有・耕作している農業従事者だけだったので、農業をしない相続人は、耕作しない荒れた農地をそのまま持っているというのが実状です。

ここで注目は一部が過去形になっている点です。

令和5年4月1に農地法が改正され、上記の面積要件が廃止され、農業をする人なら誰でも農地が買えるようになりました。

農地の全部で農業を行うことや常時農業をすること(週末農家はダメ)、地域との調和を守ること、といった厳しい条件はありますが、農業に新規参入する門戸は開かれたのです。

今のところ、すぐに農地が欲しい人とマッチングできる状況ではありませんが、これから少しずつ農地の取引も出てくるのではないかと期待しています。

これからの「農地」の動きに注目です。