ご利用は計画的に その③

2024/08/03
ご利用は計画的に その③

その②からの続き

ちょっと困った顔の農業委員会窓口さんが、とても困った口調で対象地に農地転用の許可が出ない理由を説明してくれました。

「この土地には、既に農地転用の申請がされており、許可も出ているんです。

 

既に農地転用の許可がある。

駐車場利用の許可かと思いきや『鯉の養殖場』で農地転用の許可が出ているのです。申請書や添付書類・図面等も保管されていて、現地の位置とみると、駐車場はその通りなのですが、奥に鯉の養殖池2面と駐車場の隣に事務所が作られることになっています。

申請者は現所有者の亡きお父様。古い懐かしい申請日付は、戦後の食糧難から右肩上がりの経済復興の頃に、貴重なタンパク源となる食料を増産して、一山当てようと計画したものの、鯉を増やすよりも経済の変化が早すぎて、実現しなかった計画のようです。現在の所有者は農地と一緒に、この幻の計画も相続していたのです。

農地の増減は国内食料生産率に直結するので、今も昔も転用するには審査が厳しく、簡単に農地を止めることはできません。

そのため、農地転用の許可を受けたからには、計画通りに実行し、完了検査を受けなければなりません。今回の対象地は計画だおれで、申請の目的物を作っていないので、計画完了することができないのです。始めの計画が完了しなければ、次の計画を申請することができません。他に方法はないのでしょうか。

その④へ続きます。