ジャイアン親父騒動 その③
2025/02/22

その②からの続き
周りの方々をほとほと困らせているジャイアン親父なのですが、繰り返す文句の元は「知らない人を親族の集落にいれたくない」ことのようです。
言葉の端々に排他的な気配が滲み出ていますが、それも他人と肩寄せあって暮らしたことがない集落の親族達を守るためのようなのです。長男の自分が親族達の暮らしを守る、そんな意気込みも…溢れかえっているのです。
それに引き換え、叔母様や従兄妹さん、集落に住まう皆様の本音は自分のところもいずれは売却するかもしれない、その時にこんなトラブルが起きたら困る、今のうちに他の方に売却する事例を作っておきたい、と言われるにもかかわらずです。互いの心互い知らず、ジャイアン親父と他の親族の気持ちは平行線のままです。
そんな睨みあいが続き、皆さんの困惑も高まった頃、ジャイアン親父の息子が口を開きました。
「隣を買うのは△△君なんだ」
△△君はジャイアン親父の息子の幼馴染で、子供頃は近くに住んでいたけれど、進学で遠方に行ってしまわれた方でした。息子とは仲が良く、ジャイアン親父の家にもよく遊びに来ており、ジャイアン親父も可愛がっていたそうです。
その△△君が地元へ戻ってくることになり、隣が売りに出されることを知っていた息子が「自宅用地にどうか」と伝えたことで、話がトントンと進んだようです。今まで△△君が隣を買うことを言わなかったのは「親父が大騒ぎすると思ったから」とのこと。言っても言わなくても大騒ぎするとは思わなかったようですが。
隣を買うのは知らない他人ではない。さて、ジャイアン親父の心は動くのでしょうか。
その④に続きます。