兄弟姉妹は家族の始まり その①

2023/07/08
兄弟姉妹は家族の始まり その①

おとなしそうな男性と元気いいですよねの女性2名。壮年の3人組は突然来店されました。

ご依頼は「兄の家を売却査定してください」

ご自分の家なのにお兄様、妹様達に押し切られていいんですか?と思いきや、登記名義人は男性ではなく、女性の名前になっていました。

そう、「兄の家」の登記上の所有者はご兄妹のお母様、既に亡くなっています。

希望内容を展開する妹様達に比べ、お兄様は終始だんまり、住まいが無くなってしまうかもしれないのに、何の希望も言われません。弊社としても先の展望が見えません。

「亡くなった方の名義のままでは、売却することはできませんよ。相続する方に名義を変更していただかなければなりませんが、どなたの名義になりますか?共有ですか?」

この質問で売却の目的は明らかになりました。

お兄様と妹様達は腹違いの兄妹。亡くなったのは妹様達のお母様。お兄様がお母様と同居し、お世話も介護も、看取りもしてきたのに、お母様と養子縁組されていなかったため、お母様からの相続権が無いのです。そのため、妹様達は相続する家を売却し、お兄様にお金としてでも財産を渡そうと奮起したのでした。…ここ、感動的です。

でも、妹様の同腹のご兄弟は5名、他3名の意志は現状不明。お金を渡すにしても、どのように渡すのか、贈与税はどうするのか、まるでノープラン。

不安感満載の滑り出しですが、ここから私史上最高感動の相続が始まっていくのです。

その②へ続きます。