その③からの続き

この質問の意図にピンときたのは長女さんでした。

「働ける間はアパートとかよ。長男兄さんはもうすぐ70歳になるから、働けなくなったら施設に入ればいいじゃないの。私と次女さんの近くに住めば安心でしょ」

「家の荷物はどうする？」と、諦めの悪い長男さん。

「私と長女姉さんが一緒に片付けるわよ。不動産を契約したり、難しいことは次男兄さんが全部するから、長男兄さんは何もしなくていいのよ」

さすがご兄弟姉妹。長男さんの性格をわかってらっしゃる。たたみ掛けるように長女さん＆次女さんが、長男さんが抱える不安の外堀を埋めていきます。

皆様、『長男さんがこの家に一人で住み続けることに限界が来ている』という、共通認識はあるのですが、長男さんの面子に対する理解もあるのです。

だから、長男さんの気持ちに決定打を下すことにためらわれていたのです。お互いが優しいから、家族だからこそできないことです。

 

でも、私は第三者です。ここで長男さんに対して絶対のお約束にしてしまおうと思いました。

「皆様はご兄弟姉妹の人数がいらっしゃいますから、今後、意見が分かれたりしないように、全員で同意書を作っていただけませんか？」

これは皆様、まだピンときてらっしゃらないようですね。

その⑤に続きます。

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