そこに道はあるんか?
あなたの家は道に面しています。
当たり前のことですね。道に面していなければ、家に出入りすることができませんから。
では、どんな道に面しているのでしょうか?
道の扱いは色々ありますが、ここでは「私道」について考えます。
「私道」は私の道、個人が所有している道です。お一人で所有されていることもありますが、道に接している家の所有者の方々の複数人で所有されていることがほとんどです。
建物の敷地を登記忘れする方はいませんが、私道の持分や敷地脇の細い排水路など、ちょこっとした土地の相続漏れをしてしまう方は多いものです。
この小さな凡ミス、土地を所有しているウチはいいけれど、いざ売却しよう!となると大問題になってしまいます。
だって、亡くなった方名義の不動産はそのまま売却することができないのですから。
どんなに小さい土地でも相続登記をするには「遺産分割協議書」が必要になります。
ああ、それなら大丈夫。家を相続する時に作ったからね。と言われる方が結構いらっしゃいますが、その協議書はあくまで「家を相続するための協議書」です。
そこに「道」の記載はありません。(あれば相続漏れしませんからね)
記載されていない不動産は相続が終わっていないものとなるので、相続登記はできません。そのため、「道」を相続登記するだけであっても新しい遺産分割協議書を作らなければならないのです。大きな敷地でも小さな道でも相続登記を行う手順は同じです。
そう、同じ作業を行わなければならいのです。
しかも、相続から時間が経過しているので、他の相続人から協力を得るのが難しくなっていたりします。地道に面倒くさいことこの上ない状況です。
現状では小さな土地の相続漏れを防ぐのに、固定資産税の名寄帳などで不動産を確認するのが有効な手段と言われていますが、正直わかりにくいのが難点です。
2026年(令和8年)2月2日からは「所有不動産記録証明制度」という、亡くなった方の所有不動産が法務局(の予定)でいっぺんに確認できる制度がスタートします。
相続登記の制度はどんどん整備されています。不動産を相続することが決まったら、漏れがないようにしっかり確認、きっちり登記でいきましょう。